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不思議の国、アメリカ:働き方編

日本人がアメリカ人より働いているって本当?

アメリカの現地法人に出向するまでは日本人のほうがアメリカ人より働いていると思っていました。 日本ではマスメディアも政府も働きすぎを指摘し、働き方改革と称して労働時間を強制的に短くしようとしています。 ところがアメリカで働き始めると、日本で思っていたことと違うシーンに出くわすことが多くありました。
具体的な話としては、
私は朝の7時過ぎにオフィースに到着するようにしていましたが、いつも3番目ぐらいで早い人は6時過ぎから働いている人もいました。 また、私たちの顧客は8時に工場内でミーティングを始めており、我々のメンバもそのミーティングに参加していました。 これは月曜から金曜まで毎日あります。 また、顧客内では土曜日も日曜日も電話での会議を行っていると聞いたことがあります。 我々も緊急時には、その電話会議に召集されました。 
日本では今、労働時間を問題にしていますが、アメリカで労働時間を気にしているシーンに遭遇したことがありません。誤解を恐れずに言うと、日本では役職が上になればなるほど働かなくなりますが、アメリカでは役職が上になればなるほど仕事量が増えていきます。 何の違いで、この違いが起きているのでしょうか。

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アメリカ人は、Job discriptionに従って仕事を行っている。

アメリカの現地法人でソフトウエアエンジニアの採用を行いました。 求人する際に、Job discriptionという何の仕事をする役割かを書くわけですが、これが非常に大切なものだということを痛感させられます。 日本では考えられないことです。 日本でも評価制度の観点から仕事の目標、達成度を上長との間で取り決めるということを行っている企業が沢山ありますが、アメリカのものとは全く違うと思いました。 日本では運用が曖昧ですが、アメリカでは厳しく言えばJob discriptionに記載のことができないと契約を履行できないことであり失職する場合もあります。 また、給料は年齢や性別で決まるのではなくJob discriptionに記載されている内容で決まります。 それだけ厳しいものです。 だから皆、自分で計画を作って自分のJobに集中します。 余談ですが、ソフトウエアエンジニアを採用するということで求人したところ多くの応募がありました。 応募のシートを見ると名前や経歴はありますが、人種、性別、年齢は書いてありません。 偏見無く採用を行うための処置のようです。 面談の際にも人種や年齢を聞くことはご法度です。

今、日本で働き方改革という名の活動が進められていますが、そもそも目的は何なんだろうかと思ってしまいます。 日本人は決して働きすぎていません。 働きすぎという単語を使うので誤解しているだけです。 日本人の、特にホワイトカラーの生産性が低すぎるので長時間拘束されているだけです。 これを働いているというかという問題です。 解決すべきは生産性の低さを如何にして改善するかで、それを働き方改革と言っては手段が目的化して労働時間の短縮という方向に走り、更に生産性が下がるという悪循環に陥ります。

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 日本はなぜ生産性が低いのだろうか?

昔は自分たちの生産性が低いなんてことを考えたこともなかった。 でも、現実的には低かったんだろうなと思う。 確かに、馬鹿みたいに長時間働いていた。 20代後半では月の残業時間が200時間を超えたこともあった(でも、残業代は3時間分しか出なかった。今なら大問題。所属していた部署が赤字で生き残りのためには責任を会社に押し付けるなんてこともできなかった。)。 でも、上手くいかなかった。
日本の生産性が低い原因を多くの人が分析して記事にしている。 僕は僕なりに考えてみた。 結果、日本が成長しなくなったことが原因ということになった。 得られる成果に対して係る人間が多すぎる。 では何故成長しなくなったのか? それは市場を国内に限定しているから、というか海外市場で勝負できなくなったから。 では何故海外市場で勝負できなくなったのか? それは海外市場を理解できていないので海外の消費者が日本のものを欲しがらないから。 その結果、日本にあった生産拠点はどんどん閉鎖され、生産しなくなると更に世界から取り残されるようになった。 俗にいう大手電機メーカは本来ならば今の姿ではなく大成功をおさめて良いはずだったのに大失敗で存在さえ危うい。 経営の失敗と言えばそうだが、代償が大きすぎる。 その反省もしない中で、また働き方改革といって労働者を間違った方向に向かわせている。 日本の生産性を本気で上げようと思ったら、今の事業を半分の人間でやれるようにすれば良い。 余った人間は新しいことを始める。 そうやっても運営できるはずで将来の事業も生まれるかもしれない。 そういうことをしないで労働時間だけ減らしても良くて数%の改善(それも見かけの)で誤差の範囲でしかない。 こういうことができないのも、先に書いたJob discriptionが日本にないことが原因の一つになっていると思う。 仕事は先輩の背中を見て覚えるんだ、とか、それをやるには10年早い、とか、言っている時代ではないですね。

日本の労働者の能力は決して負けていない、というか団体戦では絶対に勝てる!

 僕のアメリカの顧客は世界的な超優良企業で新入社員は皆PhDを持っているような会社だった。 そのPhDを持っているメンバとミーティングを行うわけだが、確かに非常に優秀な人間もいるが???という人間もいる。 アメリカに来て感じることは、数名の超天才が国や企業を引っ張っている、ということ。 そういう人間が作った仕組みの上で普通の人間や普通よりちょっと下の人間が仕事し暮らしている。 アメリカでは人が係らないことは素晴らしく良く動くが人が係るとよくエラーが起きる。 個人戦では負けるが団体戦では日本が勝つ、と書いたのは、日本が団体戦が得意、ということではなく、団体戦を勝つために必要な要素をアメリカよりは多く持っているということ。 それを感じた理由は、アメリカでは平均値に意味がないと感じた時から。 身長、体重もだが、冬に毛皮のコートを着ている人の横に半そでシャツに半パン姿のお姉ちゃんが座っている。 本当に???な国です。 日本は吉につけ悪しきにつけ平均値とばらつきの中で暮らしている。 上手くやれば団体戦で勝てる!
そのためには、目標を明確にする必要がある。 国でも企業でも小さなチームでも同じ。 きちんとした目標を立てることができればメンバは能動的に動ける。 そうすればJob discription作りが苦手な日本でもアメリカに伍していける。 日本の政治家、大手電機メーカの経営者(今も経団連の会長をやっている人もいるが)も国民や従業員が目指すべき目標を立てれなかった。 結果、今の姿がある。(経団連の会長は未だに従業員よ、終身雇用に頼るな、とトンチンカンなことを言っている。 言うことが違うだろ、と思う。)
さあ、皆さん、日本を元気にしていきましょう。
成功するための唯一の方法は成功するまで止めないこと、です。
頑張ろっと。

 

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