変わりモノがいい!

変わりモノには価値がある・・・ハズ?

不思議の国、アメリカ:Making of Boeing plane編

これは凄い!

僕は、2010年からアメリカに出張で行き始めたけど、当たり前のことだが飛行機にはよく乗った。 特にBoeingの飛行機にはよく乗った。 2000年にBOMのシステムを工場に導入することになった時にPJメンバとして参加したことでBOMに興味を持つことになり、飛行機のBOMが真っ平であることを知って非常に驚いたことを覚えている。 なぜ、あんな複雑で部品点数が多い製品のBOMが真っ平なのか。 シアトルにはBoeingの工場があり、見学できるというので行ってきた。 見てビックリ、こりゃアメリカに勝てない。

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広い、デカい!

行った先は、シアトルにあるボーイング社のエベレット工場。 僕はポートランドのHillsboroに住んでいたので、そこから車で4時間強、と言っても自分で運転して行ったことはなくて、いつも他の出向者が運転する車に同乗していった。 いつも?って何?と思うかも知れないが、工場見学をしたいという日本からの出張者が多く、あるメンバは何回もこの工場に行っている。チケットは事前にネットで予約済み。 見学料は、25ドルで1時間30分のコース、バスで組み立て工場に行って製作工程を見学できる。 ちゃんとガイドさんが同行して説明してくれるので助かる。コーススタートまでの待ち時間で、建物の屋上から工場全体を見てみた。

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写真の撮り方が良くなくて判りにくいが、とにかくデカい。 写真中央の建物が組み立て工場だが、横の長さは200m以上はある。 この工場が写真の奥行方向に機種別に並んでいる。 そうなんです、737用とか747用とか767用、787用というラインに構成になっている。 デカい、という一言に尽きる。 屋上から敷地の右側を見てみると、ありましたありました、Dream lifterが。 これは、787の胴体部分を運ぶための飛行機。 やることが違うな、と感心しきり。

f:id:ken2017:20200204110808j:plain また、別の方向に目を向けると沢山の飛行機があった。

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これらの飛行機は、出荷待ちの飛行機で、発注者が引き取りに来て、自分で操縦して帰るとのこと。 えっ?自動車と同じ?と思ったのを覚えている。

えっ、そこまで見せていいの?

さて順番がきて見学開始。 バスに乗って工場の入口に到着。 そこからガイドについていって工場の中へ。 工場に入ると、真っすぐの廊下にまず驚く。 先が見えない。 そりゃそうだよね、200m先は見えないよね。 当然ながら工場内は撮影禁止なので写真は撮れない。 ということで、工場内の説明はYoutubeにある動画を参照してください。
まずは、変更前の代表例として747の製作現場の動画。

www.youtube.com

次に、変更後の代表例である787の製作現場の動画。

www.youtube.co

 何が変更前、変更後、かというと、787とそれ以前の機種では作り方が大きく違う。 787は完全にモジュール化されている。 747はそれに対して、例えば胴体もこの工場内で組み立てており、大きな胴体が大きな天井クレーンで吊られて工場内を飛び回る。 半完成品の状態で同じ場所に長く留まり、そこで多くの人が部品を取り付けている。 ああ、飛行機の組み立てって大変だな、よくこれで問題なく組み立てられるよな、と思う作り方をしているのが747の作り方。 
方や787は動画にあるように色々なモジュールを組み合わせることで、組み立て時間の大幅な削減を実現している。 飛行機は、ある日に行うべき組み立て作業が完了すると一機分前に進む。 タクト生産だね。 そうすると次の飛行機が最後尾に入ってくる。 そうやって4日過ぎると、あの工場の入口である左側から入ってきた飛行機は出口である右側へでてくることになる。 なんと4日で1機が完成する。 これは本当に驚きです。よく、日本のモノづくりが進んでいると言われているが、アメリカに学ぶべきところは沢山あります。 Boeingの工場を見て心からそう思います。
キーであるモジュール化にしても、日本でも多くの企業がチャレンジしていますが、本当の意味で成功した企業は多くはないのではないかと思います。 モジュール化の醍醐味は、多品種変量生産です。 それを如何に少ない部品種類で実現するか、です。
Boeingの工場見学をしていると本当に楽しくなりました。 そこは工夫の塊で、負けたくなければ知恵を出せよ、と言っているようでした。 日本を強くするためには、こういう人目につかないようなところでの懸命な努力が必要です。 理系人間を増やしましょう。 そのためにも仕事を楽しくしましょう。 そのためにもリーダーは、挑戦のし甲斐がある崇高な目的、高い目標を立てましょう。 これに尽きます。
立ち上がれ、日本のリーダー!

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