不思議の国、アメリカ:Brookstone編
そこはパラダイスでした。
僕は1981年に会社に入ったエンジニア(今では元かも)です。 そのころのエンジニアは日本が強かったたこともあり比較的日本の中で仕事をしていました。 僕が所属していた組織でも海外関係のしごとは輸出Grという専門のチームが担当していました。 今では考えられないですよね。 僕もコテコテのドメスティック人間で当然ながら担当した顧客は日本の顧客でした。 但し、日本の顧客が出ていった先には当然のごとく出張には行きましたが大変でした。 イタリアでは空港から近いところにあるホテルに行くのにタクシーの運転手に住所を渡していたにもかかわらず遠くのそれも全く違うホテルに連れていかれ料金をぼられたり、台湾では6時間の会議を下手な英語でやって、会議の後に次からは通訳を付けるから日本語でやって、と言われたり、シンガポールでは顧客に英語で話しかけたら色黒の日本人だったり、と色々なことがありました。 英語なんか嫌いだ、アメリカなんか嫌いだ、ということで、アメリカ本土には2010年まで行ったことがありませんでした。 ところが2008年のリーマンショックの影響で事業が大きく毀損し、事業を立て直すための装置開発を2010年から開始し、主要顧客であるアメリカへ行かないといけなくなりました。 後に引けない状況で大嫌いな英語、憂鬱でたまらなかったですね。 その状況を変えるきっかけになってくれたのがBrookstoneです。 日本では馴染みが無いかも知れませんが、このお店は僕にとってはパラダイスでした。 大人の遊園地、天国、楽園! Brookstoneを知って以来、僕はアメリカに好意を感じるようになりました。
Brookstoneでは色々なものを買いました。 今日はその中のお気に入りを幾つか紹介しましょう。 その前に、まずはBrookstoneの紹介をしましょう。
Brookstoneってどんなお店?
Brookstoneは、米国と中国に拠点を持つ小売のチェーン店です。 1965年に通信販売会社として設立され、デンタルクランプやその他の特殊工具などの商品を販売していました。 1973年に初めて実店舗をニューハンプシャー州ピーターバラにオープンしました。 Brookstoneの商品は当時からとてもユニークであっという間に多くの顧客を獲得しました。 1980年台に入って、それまでの主力製品であったユニークな道具と家庭用品に加えて、旅行、レジャー、テクノロジー、オーディオ、ゲームに焦点をあてた製品を扱うようになりました。 これらの新しい商品は顧客に新しい、体験、を提供しました。 今でいうイノベーション、です。 1992年にBrrokstoneはこれら新しい商品を提供するためのキオスクを開店しました。 このキオスクでの成功を経て、1993年までに全米で100店舗を運営するまでになり、1990年代後半には、150の店舗と100を超えるキオスクを持つまでになっていました。
僕が知っているBrooksotneは、空港やモールにありました。 空港で飛行機を待つ間に店に行って、今回はどんな新しいものがあるかな、と探索するのが楽しみでした。 また、住んでいた町からちょっと離れたところにあったモールの中にもお店があり、ブラックフライデーなどには、楽しいモノ、を買いに出かけました。
ところが、2014年、Brookstoneは破産申請を行い、今では中国のコングロマリットさんパワーに買収されました。 そういう意味では、僕がBrookstoneに魅入られたのはアメリカ企業としての良き時代の最後当たりだったのだな、と思います。 僕は、2015年、2016年は出張で、2017年18年は出向でアメリカにいましたが、いまでも覚えているのは、ある時を境にBrookstoneがつまらなくなった、ということです。 それまでのウキウキ感が全くなくなってしまいました。 残念ながら2018年ごろには行くこともなくなりました。 経営者が変われば会社は変わってしまうという典型的な事例と思います。
それでは古き良き時代?のBrookstoneの楽しい商品たちを紹介します。
1)タンク
僕がBrookstoneで初めて買った品物はコレ。 タンクです。
ダラスに出張に行ったときに友人とモールに行ったのだが、そこにBrookstoneが
あり、このタンクが目に入ってしまった。 悩みに悩んだ末に購入。 おまけで
これを持って帰るためのかばんも購入。 このタンク、タブレットで動かして
タンクに付いているカメラでの映像が見える、という代物。 会社に持って行って
事務所の中を走らせてひんしゅくを買ってしまった。 今は、後輩の子供の
ところでひっそりとしている、ハズ。
iOS Controlled Rover by Brookstone (Review and Demo)
2)スターウォーズ BB8
次に買ったのがコレ、おなじみスターウォーズのBB8。
これは買うのが大変だった。 スターウォーズ人気でお店にない。 何度行っても
ない。 諦めるしかないかな、と思っていたとき、ポートランドからダラスへ行く
とき、運よくポートランド空港で見つけた。 おひとり様一つまで、ということで
一つ買った。 これも会社の事務所の廊下を走らせひんしゅくをかってしまった。
これは単純な機能で、タブレットでころころと走らせるだけ。 今は、娘の所で
静かに飾られているとう、多分・・・。
3)スターウォーズ X-wing
お次はコチラ、スターウォーズX-wing。
これは出向中のブラックフライデーに買ってアメリカで遊んだもの。
これは凄かったね、単なるドローンではなく、エンターテイメント性たっぷり。
黒いケースの上蓋を外すとスターウォーズの音楽が鳴り始め、X-wingの台座が光り
始める。 アメリカは凄い、と単純に思ったものです。 これは日本にも持って
帰り息子たちに見せびらかし、動かそうとケースに電源を入れた途端に黒い煙が
出てきた。 電源アダプタを別のものをさしてしまった。 あ~あ、ということで
今は箱に入って静かにしている。
Star Wars Battling Drone unboxing (X-wing)
4)PowerUP Dart
これはスマホやタブレットで動かす紙飛行機ね。
飛行機本体を紙を折って作り、それに駆動機構を取り付ける。
至って簡単なのだが、操作は難しく、最初の飛行で真っ逆さまに墜落し
見事に大破、残念、ということで終わった。 上手く飛ばしたかったね。
POWERUP DART Aerobatic App Controlled Paper Airplane
こうやって幾つかの商品を紹介してきたが、僕はこれらの商品に何となくだが未来に向けての可能性を感じてしまった。 単に走らせる、飛ばす、転がす、ではなく、そのことを通じて別の世界を開ける可能性を勝手に一人で感じて、その結果、そういう製品を創るアメリカという国を好きになり始めてしまった。 このことをきっかけにしてアメリカの豊かさ、自由さ、日本と違って窮屈でない居心地の良さを感じることになった。
そういう意味で、これらの、変なモノ、には感謝です。
皆さんも機会があれば手にしてみてください。
きっと気に入ると思います。
それでは、また。