変わりモノがいい!

変わりモノには価値がある・・・ハズ?

偉大なCEOが遺したマネジメントの基本

インテルは別格の会社でした。

僕は、1981年に会社に入りました。 部署は産業機器の設計部門でした。 個別仕様の製品を担当していたので顧客の所にしょっちゅう行っていました。 担当した顧客は日本国内がメインでした。 35歳で半導体関係に異動しましたが、担当した顧客はやはり国内がメインでした。 まあ、英語が苦手だったので当然のことだなと思っていましたし、正直なところアメリカが好きではありませんでした。 今から考えれば食べず嫌いだったんだな、と思います。 今はアメリカが大好きです。
僕がアメリカが好きになった理由には幾つかありますが、50歳を過ぎて付き合うようになったインテルの文化が影響したのは否めません。
日本の会社や日本に影響を受けた台湾の会社、純粋なアメリカ的な会社しか知らなかった僕にとってインテルは、変わった会社、でした。
その、変わった会社、を創ったのがアンドリュー・グローブでした。
彼が、マネジャー向けに書いた本がコチラ。
HIGH OUTPUT MANAGEMENT

です。

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本の表紙一つとっても彼が普通でないことが良く判ります。
シャツにビジネススラックス、腰にはセキュリティーカード、
この姿でインテルのカフェにいたら普通のエンジニアですよ。
(まあ、インテルのカフェにはTシャツ、ジーパンや半パンが沢山いますが)
でも、彼はこの姿で日々仕事をしていたのだと思います。
本の表紙の撮影をするからといって特別なことをしなかったのだと思います。
この考えがインテルの全従業員に行きわたっていました。

インテルってどんな会社だったの?

インテルと言えば皆さんご承知のようにパソコンやサーバーの主要部品であるCPU(人間でいえば頭脳にあたる)の世界NO.1メーカーです。
NO.1企業にありがちな、IBMやトヨタのように重すぎず(重いと言うか形式ばったという意味で)、GoogleやFacebookのように軽すぎず(自由奔放?)、規律のとれた自由闊達さがある企業として僕の目には映りました。
インテルは非常にまじめなで規律のとれた会社です。
そうでないと長い年月にわたってロードマップを維持し続けることはできません。
(流石に数年前からは技術的な難易度がクリアしにくくなり維持できなくなってきましたが)

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決めたロードマップを自身のエコシステムのメンバとともに地道に実現してきました。
ペースを守る、急がず遅れず、インテルとはそういう会社です。
俗にいうIT系の企業に対する世間の見方は、先進的でアグレッシブ、というものではないかと思います。 インテルは違います、非常にconservative(保守的)です。
そういう意味で、規律のとれた自由闊達な会社です。
下の写真はネットに合ったインテルのカフェの写真です。

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テーブルの様式やレイアウトは工場によって違いますが、まあ、こんな感じで朝から晩までワイワイやっています。 カフェで寛いでいるわけではありません。 仕事をしています。 我々サプライヤーとのミーティングも、大人数でないものはカフェで行われるのが普通です。
少し離れたところには、コンペティターもいます。 えっ、大丈夫なの?と最初は思ったものです。 でも、インテルからすれば、ここに集っているのはインテルのエコシステムの構成メンバであり、その条件下での規律のとれた自由闊達な会話の場としてカフェを活用しているように思えました。
注)事故防止のために、営業は参加できませんし、ハードコピーは使用禁止です。
こういうもの全てをアンドリュー・グローブが創ったのだと思います。

さて、本の内容を少し紹介します。

本書は、インテルの第三代CEOであるアンドリュー・グローブが、後進のマネジャのために書き残したものです。 シリコンバレーのトップ経営者、マネジャの多くに読み継がれています。 あのピーター・ドラッカー博士も絶賛しています。
アウトプットを最大化するための仕事の基本原理やマネジャが最も注力すべき仕事はなにかを明確な言葉で示しています。
また、タイムマネジメントの方法、意思決定のときにすべきことではなく、してはいけないこと、ミーティングはどう進めるべきか、というような日々の悩みに答えるような内容も書かれています。 これを、あのインテルのCEOが書いているという所に驚きとともに凄さを感じてしまいます。
この本を手に入れるということは、真横に、インテルの第三代CEOがいて、困った時にはいつでも実践的で役に立つアドバイスを得ることができる、ということになります。

武漢ウイルス騒動で皆、今後のことについて不安を感じたり、不必要に変化を求めたりしています。 そういう今だからこそ、地道に実務を行い続けてきた最高の経営者の思考に触れるのも良いのではないでしょうか。
ホンモノは別格です。

では、また。

(参考図書)

 

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