変わりモノがいい!

変わりモノには価値がある・・・ハズ?

リーダーのための座右の書 言志四録

先生の先生の先生の先生が書いた本

佐藤一斎、名前を聞いて判る人はほとんどいないでしょうね。
でも、伊藤博文や高杉晋作を知っている人は多いですよね。
彼らの先生である吉田松陰、同じ門弟の勝海舟を知っている人も多いと思います。
彼らの先生である佐久間象山となると知っている人が減ってきて、
その先生である佐藤一斎になるとほとんどの人が知らないのではないかと思います。
その大先生である佐藤一斎が書いた本がコレ、言志四録

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下の図が先生たちの構造です。

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佐藤一斎の偉大さが、この図を見るだけでも判りますね。

ひょんなことから佐藤一斎を知ることに

佐藤一斎を日本国民に知らしめた功労者は小泉元首相かも知れません。
平成13年5月の教育関連法案の衆議院での議論の中でその名を出したり、
田中真紀子元外務大臣がへんてこりんな発言を繰り返すので小泉元首相が佐藤一斎の「重職心得箇条」をプレゼントした時に田中真紀子が「こんな江戸時代のカビのはえた話なんていらないわよ」と言い放ったことで話題になりました。
小泉元首相だけでなく、大平元首相の座右の書でもあったようです。
ということは彼ら二人だけではなく、首相になるような人、リーダーが選んで座右の書にしていると言えると思います。
リーダーたちが師と仰ぐ佐藤一斎とは、どんな人だったのでしょうか。

f:id:ken2017:20200609054802p:plain  佐藤一斎の肖像画
あの田沼意次が老中であった安永元年(1772年)に美濃岩村藩家老の子として生まれたようです。
若いころから儒学、朱子学、易学を学び、70歳で昌平黌の儒官となりました(儒官って、今の東大の総長に相当するとのことです)。
門下生は6000人ともいわれ維新の志士たちにも多大な影響を与えたようです。
維新の志士たちに、志とは何か、武士の天分とは何か、を教えたのが言志四録です。
言志四録は、4つの書から成っています。
言志録、言志後録、言志晩録、言志てつ録です。
佐藤一斎が42歳から書き始め82歳まで書いた総数1133条が記録されています。
言志四録は、人は環境によってつくられるが、その環境をよいほうへ変えていくのは、志を持った人間である。 志のある人は、みずからを切り開き、よき師、よき友に恵まれ、そして学び、励まされ、一度しかない人生を有意義に創造していく、人生をよくするのも悪くするのも、この志次第であることを教えてくれます。
維新の志士たちが言志四録によって勇気づけられた姿が目に浮かびます。
日本を変革した維新の志士たちが学んだ言志四録を多くの日本人が知りません。
なぜなのでしょうか。

戦後日本の教育が偏っていたのでしょうね。

僕は日本の歴史を真面目に勉強してきませんでした。
化学が好きで数学、物理、英語の点数で苦手な国語、社会の極端に悪い点数をカバーしてきました。 日本を知らない日本人の代表格だったかも知れません。 そういう人間が日本には沢山作られました。 
昔、と言っても遥か昔で、今度、紙幣の顔になる渋沢栄一のころは学問と言っていました。 僕たちの時代では勉強と言っていました。
学問と勉強では何が違うのでしょうか。
学問には、「道」と「芸」があり、「道」とは自分自身を鍛える人徳形成であり、「芸」とは食うための技術を磨くことであるとして佐久間鷹山は「東洋の道徳・西洋の芸術(技術)の一致」を唱えたとのことです。
学問とは、「道」である哲学、思想、文学といった人間や人生を探求する学問と、
「芸」である法律、科学、医学、芸術といった知識を売り物にする学問の融合対なのですが、僕たちは、「芸の学問」しかやってこなかったように思います。
このことが今になってボディーブローのように国家の運営や企業の運営に影響を与えているように思えます。
リーダーが少ないと感じている人は少なくないと思います。
アメリカでの2年間の生活は、僕にとって新鮮でした。
アメリカ人は、国家を大切にし、人を大切にしています。
スポーツ観戦に行ったらすぐに判ります。
日本で観られない光景を目にして驚きとともに新鮮さを感じたことを今でも覚えています。

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米中の事実上の冷戦、武漢ウイルスの騒動によって我々は嫌でも非日常を経験することになりました。 普通の日常を長く続けてきた日本人に変化を求めてきています。 この変化にキチンとした対応をとるためには志が必要です。 志がないままに対応しても、それは流されているだけで、流したい勢力(例えば中国や偏向報道が好きなマスコミ)の影響を受け間違った方向に行く可能性があります。
今回、言志四録を紹介しようとした意図はここにあります。
少しでも多くの日本人が言志四録を通じて維新の志士のように志について学び、志を持ったリーダーが変革を起こせるように、リーダーによる変革に多くの国民が参加できるようにと思うばかりです。
志を持った変革は既に身近に起きています。
昨年、ラグビー日本代表が我々にそれを魅せてくれました。
彼らの試合を観ていると自然と涙がでてきて止まりませんでした。
それぐらい新鮮でした。
何に新鮮さを感じたか?
今思えば、リーチマイケルの志と、彼の志の実現のために集まったチームメンバの姿に新鮮さを感じたのだと思います。
 余談ですが、ラグビー日本代表の試合の後、国家を歌う人間が増えたとのことです。
 良いことです。

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武漢ウイルスの影響でスポーツすることもままならない状況ではありますが、また、ラグビーを観て変革を起こす勇気を手に入れましょう。 その日に備えて、言志四録を読んで基礎知識を頭に入れておきましょう。

では、また。

(参考図書) 






 




 

 

 



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