変わりモノがいい!

変わりモノには価値がある・・・ハズ?

戦略転換点

21世紀に入ってから20年、いよいよ始まった。

それぞれの時代には、時代を牽引というか時代における果実を手にする国がありました。
大昔まで遡ればスペインやポルトガルも世界を席巻した時代がありました。
近くで考えれば、産業革命のイギリス、第二次世界大戦前後のアメリカ、1970年代から20世紀末までの日本。
そして21世紀、どこの国が覇権を握るのでしょうか?
特に武漢ウイルス騒動の後、アメリカが影響力を持つか、中国が影響力を持つかで世界は大きく変わってしまう可能性があります。
21世紀に入って20年、21世紀はソフトと電子の時代になり、日本は変化に付いていけず、残念ながら20世紀の日本を徹底的に研究してきたアメリカと、覇権を握るためになりふり構わず拡大を続けてきた中国の争いになっていると思います。
そういう中で、我々はどう考え、なにをすべきなのかを考えてみました。
アフター武漢ウイルスというマスメディアのステレオタイプの思考に飽きてきたので、手元にある本を探していたら良い本が見つかりました。
それが、コレ。
PARANOID SERVIVE:パラノイアだけが生き残る
  正確に書けば、Only THE PARANOID Survive
        病的な心配性だけが生き残る
著者は、あのインテルの3番目の社員でインテル第3代CEO。
刺激的な題名だけど、今必要な思考が書かれていると思います。

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アンドリュー・グローブがやったこと

アンドリュー・グローブの功績の第一番は、インテルが自社を中心としたエコシステムを構築し、市場をコントロールすることができる土壌を創ったこと、と僕は思います。
アンドリューに関しては、メモリメーカであったインテルが日本の攻勢に負け倒産寸前のところをCUPを武器にインテルを復活させた、という話が前面に出ますが、それは事象であって、本質的なところは、市場、環境をコントロールするエコシステムを創ったこと、と思います。 このエコシステムによって、インテルは安定した事業を継続することができてきました。 製品の仕様も開発期間も販売価格も全て自分で決めることができます。 これをコントロールできれば売上も利益もコントロールできます。 夢のような世界です。 
インテルがエコシステムを創るまでは、IBMの支配のもとでチップメーカが存在していました。 それが、インテルがエコシステムを創った後は、パソコンメーカはインテルの支配下に入りました。 上下逆転が起きたわけです。
これは凄いことです。
インテルが創ったエコシステムは、インテルに多大な恩恵を与えただけではなく、インテルの周りの企業、社会にも同じように多大な恩恵を与えました。 それがエコシステムの本質です。 それゆえ皆がエコシステムを維持できるように努力してきました。 ムーアの法則が長く維持できたことが、それを証明しています。

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20世紀の日本でこれが出来ていたら今の世界は変わっていた。 でも日本はできませんでした。 できなかった理由は2つあります。
1つ目は、過剰な競争を日本企業同士でやってエコシステムという概念さえありませんでした。 電機メーカがこの代表格です。 電機メーカは所謂、レッドオーシャンに苦しみ没落していきました。 DRAMで世界の1位から5位までを占めていたのに今は見る影もありません。 今の韓国や韓国企業を見ていると、今は残存者利益的なものを得ていて状態が良いように見えるかもしれませんが、本質は当時の日本企業と何ら変わらず、よく似ているなと思います。

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2つ目は、エコシステムを創るチャンスをアメリカに潰されたものがあるということです。 TRONが代表例です。 今でもTRONが出てきた時の衝撃とアメリカに潰された時のショックを覚えています。 アメリカがTRONを潰しにかかったとき手助けした日本人が、最近投資失敗の連続で世間を賑わしている彼です。

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TRONが上手くいっていたら、これまた日本は今の姿ではなかったと思います。

エコシステムの重要性は判ったけど、それで?

以上、エコシステムの重要性をお話ししましたが、今起きていることもアメリカと中国によるエコシステム争奪戦と思っています。 中国は5Gでそれを実現しようとした可能性があります。
極論かも知れませんが、中国の5Gと日本のDRAMが似ているようにも思えます。
両者ともにある意味でアメリカ土俵(アメリカが手掛けている領域)でアメリカのルール(例えば価格や開発スピード)を破った。
日本のDRAMは価格が安すぎ、開発スピードが早すぎたと思います。
その結果、アメリカの作った市場を破壊してしまいました。
今の中国のやり方では市場を創るより破壊する可能性が高いと思います。
昔、僕の上長がこんなことを言っていました。
アメリカが国内でやっている事業の周辺の事業をやれば皆幸せ(事業が継続)になる、と。 今から考えると、これも正にエコシステムの考えです。
日本のDRAMは無くなりましたが、日本の半導体製造装置や材料は未だに健全な事業体です。 このこともアメリカの作っているエコシステムの中にいれば健全な事業運営ができることを現わしています(これが良いか悪いかは別にして)。
トヨタがアメリカでバッシングを受けていたのはDRAMと同じ論理と思います。
トヨタはバッシングを受けてもデンソーはバッシングを受けない。
これです。
日本は、エコシステムの中で重要な役割を果たしていかないといけません。
それが日本国民が幸せになる唯一の方法で、アメリカの創るエコシステムと中国が創るエコシステムを比べた場合、どちらのエコシステムが、本当の意味でのエコシステムであるか、という話になります。
その、本当の意味でのエコシステムのキープレイヤーである限り、日本国民が路頭に迷うことはないと思います。
今が戦略転換点です。 アフター武漢ウイルスは、今までの戦略の転換を促します。
戦略転換点のなったダ中における考え方のヒントが欲しい。
そこで、今回見つけた本の出番です。
パラノイアだけが生き残る、ここにヒントがあると思います。
皆さん、時間を見つけて一読されることをお薦めします。

では、また。

(参考図書)

 





 

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