変わりモノがいい!

変わりモノには価値がある・・・ハズ?

僕らはシンセサイザーを魔法の楽器と思っていた。

デビューから解散まで絶えず普通ではなかったYMO

僕らの時代、シンセサイザーと言えば冨田勲とYMOだった。
冨田勲の作品は、その重厚さから僕らに勇気を与え、YMOの作品は、その新規性から僕らに未来に向けた挑戦を促した。
どちらも大切な宝物だった。
彼らの印象が強くてシンセサイザーと言えば電気電子回路の集合体的なイメージを強くもっていた。

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ちなみにこれがYMOのデビュー曲


Yellow Magic Orchestra - Yellow Magic Orchestra (Full Album)

気分を高めたいときにいつも聴いたライディーン


Rydeen - YMO

冨田勲 組曲(惑星)より(木星ジュピター)  壮大です。


06 組曲(惑星)より(木星ジュピター)

まさかそのころに吹くタイプのシンセサイザーが存在していたなんて想像することさえできなかった。
EWIのご先祖様が、冨田勲やYMOの時代には既に存在していた。
EWIは、ウインドシンセサイザーとよばれるジャンルの楽器で、1960年代の終わりころに生まれたLyriconというシンセ音源をブレスでコントロールする当時としては全く新しい楽器に由来する。 歴史ある楽器なんだ。 折角だから、その歴史を観ていこう。

楽器の世界への電気化の波

音楽家、演奏家はクラッシックを大切にし伝統を大切にする反面、絶えず新しい音を探求ししてきました。 そういう文化の中で楽器の世界への電気化の波がやってきます。
エレキギターが1950年代に普及し、1960年代にはアナログシンセサイザが生まれます。
アナログシンセサイザが普及し始めた1960年代の終わりにシンセ音源をブレスでコントロールするという新しい楽器の開発が始まりました。 それまでのものは管楽器にピックアップ(マイク)を取り付け、歪みやワウ等のエフェクトで音を出すという方式でしたのでシンセ音源をブレスでコントロールするという方式は画期的なものでした。
1974年に製品化に成功し、Lyriconという名で世に出てきました。
Lyriconとは、Lyrical (歌う様に)- Control (コントロール)という意味とのことです。

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Lyricoはウインドシンセサイザの元祖であり、自動車でいえばダイムラーが世界で初めて作ったガソリンエンジン搭載車であるパナール・ルヴァソールに匹敵するぐらいのものです。
Lyricoの運指はサックスに準拠しており
、また、マウスピースはテナーサックスのリードを取り付けるように設計されていたことからプロのサックスプレーヤの間で人気があったようですが、高価だったことと、その取扱いが難しかったことから商業的な成功とはいかなかったようです。

流石、アナログの王者にっぽん

20世紀は電気、特にアナログの時代であり日本の時代でした。 ウインドシンセサイザの世界も日本が存在感を示したものの一つでした。 Lyriconの進化系として多くの製品が開発されましたが、そのほぼすべてのものが日本製でした。
沢山のものが生まれ、沢山のものが廃れていく中で、最終的に2強が市場を支配しました。 YAMAHAとAKAIです。
YAMAHAはシンセサイザ、管楽器の両方の資産を持っていることを強みにFM音源登載でブレスコントロール可能のフルMIDI対応シンセとしてWX7を開発しました。

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WX7は製品としての完成度の高さから競合をことごとく駆逐したようです。
開発には、ウインドシンセと言えば伊東さん、の、伊東さんが協力したようで、そういう意味でも成功すべくして成功した製品と言えるかも知れません。

もう一つの雄がAKAIです。
実はアメリカではLyriconと同時期に別のタイプのウインドシンセサイザが生まれていました。 トランペットのバルブに似せた " ボタン " と、倍音制御をシミュレートさせるための "タッチセンサーを用いた " ベンドシステムとオクターブローラー " をシステムの核とした金管楽器演奏者向けのウインドシンセサイザであるEVIです。 これを見た時、あれEWIと同じじゃないの?と思いました。 そうなんです、EVIの評価は金管楽器演奏者の間で高く、メーカであるスタイナーパーカー社には木管楽器演奏者からも製作の依頼が沢山寄せられました。 そこで生まれたのが、EVIをベースとしてオクターブキャニスターに入っていたオクターブローラーを縦に配置しキー全体をタッチセンサー化させたスタイナーフォンです。 これも演奏家が大絶賛で高価であったにもかかわらず多くの注文が舞い込んできました(価格200万円で納期は2年だったようです)。 これに困ったスタイナーパーカー社は、AKAIにライセンス生産を持ちかけました。
このことがきっかけになりAKAIは木管楽器型のEWI1000を開発・生産するようになったとのことです。 こうしてYAMAHA、AKAIの2強が誕生しました。

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そして今

僕がウインドシンセサイザを選ぼうとしたときには、AKAIとROLANDの製品が人気だった。
AKAIは、EWI5000、EWI4000、EWI USB
ROLANDは、AE-10
好みの問題になるが、僕にはAKAIの音がしっくりきたのでAKAIのEWIを買うことにした。 あとは、どの機種を買うかということだが、初心者なので続かないことも想定して一番安いEWI USBにした。

ewi.akai-pro.jp

このあたりが良くないよね。
高い楽器を買って止めれないようにすべきだったと思う。

ewi.akai-pro.jp

さて、ウインドシンセサイザー、その中における日本の位置づけ、更にはEWIの位置づけを説明してきました。 次からは、EWIの詳細に入っていきたいと思います。

では、また。

(商品紹介)

  

 

 

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