変わりモノがいい!

変わりモノには価値がある・・・ハズ?

現代の三種の神器ってなんでしょうか?

テレビの話題を考えていたら三種の神器を思い出しました。

今の若い人は三種の神器っていう言葉を聞いて判る人が何人いるのでしょうね。
三種の神器(さんしゅのしんき)は、天照大神(アマテラスオオミカミ)がニニギに授けた三種類の宝器で鏡と剣と玉の総称です。
この三種の神器を、神から受け伝えられた宝器として日本の歴代天皇が古代より伝世してきています。
ちなみに、鏡は伊勢神宮の内宮に、剣は熱田神宮に、玉は皇居に保管されています。

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第二次世界大戦後の復興が軌道に乗った1950年代後半、神武景気によって人々の生活が変わり始めた頃、家庭電化ブームが始まりました。
そのブームの中で豊かさやあこがれの象徴としてして白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫の家電3品目を歴代天皇に伝わる「三種の神器」になぞらえてこの呼称をつけました。

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この時代の三種の神器は、家事労働の軽減に貢献するものが選ばれています。
高度成長期となった60年代後半には、カラーテレビ(C)、クーラー(C)、自家用車(C)が「新三種の神器」と呼ばれました。
時代は変わり、この時代の三種の神器は、余暇の充実のためのものが選ばれています。
2000年代になるとデジカメ・薄型テレビ・DVDが新三種の神器と言われたようですが、昔のような力はないですね。
さらに最新の「三種の神器」は、ロボット掃除機・全自動洗濯乾燥機・食器洗い機とのことですがピンとこないですね。
へえ〜そうなんだって感じですね。
それだけ人々の生活が豊かになりお金を使う道が変わってきたということでしょうね。
こういう中で日本における家電メーカ、ちょっと誇張気味に言えば製造業の存在感が薄れてきたのかなとも思います。

日本のメーカは頑張ってきたと思います。

ここで本題のテレビの進化について見てみたいと思います。
テレビは誰が発明したということに関しては、1800年代末期に色々な技術がイギリス、アメリカ、ドイツ、イタリアで発明され、それらの技術をベースに、光電管を使ったテレビらしきものを1925年にイギリスのベアードが作ったのが初めのようです。
慣れ親しんだブラウン管方式のテレビの実験に日本人技術者である高柳健次郎が世界で初めて成功したのが1926年です。
その後の時代は、テレビといえばブラウン管という時代が長く続きました。
この時代はまさに日本の時代でした。
先人たちは最初はアメリカから技術を購入しましたが、その後は失敗を繰り返し、その中から学びノウハウを蓄積していき、複雑な工程が必要なブラウン管テレビの不良率を低下させ、安定した量産体制を確立していきました。
カラーテレビにおいてもこのやり方を踏襲したようです。
シャドーマスク方式をRCA社から購入し、生産を開始したようです。
でも、この頃になると日本のメーカも欧米との開発競争を繰り広げるまでになっていたようです。
カラーテレビでは、広角化競争が繰り広げられ、当初は70度だったものが日立が90度を開発し、フィリップスが110度を開発しRCA、東芝、日立、三菱が追いかけ追いつくという競争を繰り広げました。
激しい競争を制したのは、電子化、でした。
日本企業は、高温、高圧仕様のトランジスタの生産ができる強みを活かし、欧米企業に対して優位性を発揮しました。
そういう中で、ソニーは、シャドーマスク方式に比べて明るさと解像度の改善で優位性のあるトリニトロン方式を提げてテレビ業界に乗り込んできました。
そしてとうとう、1996年には完全な平型ブラウン管テレビの製品化に成功しました。
日本の企業が輝き、成功していた時代は、このような漸進的なイノベーションを積み上げていた時代です。
インテルが、ムーアの法則を創ってそれに忠実に開発を行ってきたのも正に漸進的なイノベーションを続けるためのものでした。
日本の企業が輝かなくなったのは、この漸進的なイノベーションの積み上げを辞めたからです。

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ヒントがあったね。

そうなんですよ、今の日本の製造業は悲しいくらい暗いイメージがあります。
それは実務であるモノを創ることを放棄して労働力の単価が安いという理由で中国などに仕事を出したために、漸進的なイノベーションを続けていく力が落ちたためです。
神は細部に宿るのです。
今、アメリカのGAFAがやっていることもある意味では漸進的なイノベーションを続けるということです。
日本の製造業は、ものからモノへ、なんてことを言っていますが、実態のあるものを支配できないメーカが、ものの利用者のことが判るはずはなく上手くいっているケースはあまり耳にしません。
Appleは彼らの製品の仕様を非常に厳密に定義し、それを完璧にコントロールしようとします。
日本のメーカは、文化的にもAppleのようなことはできず、垂直統合の形態で機能を補完していました。
海外に出してしまった資産は取り返すことはできませんが、今後は安易に資産を海外に出すのではなく、国内に投資して、自らの力で漸進的なイノベーションを続ける覚悟をもって事業に当たるべきと思います。
そうすれば、また新たな三種の神器が生まれるかも知れません。
生きている間に見たいものです。

では、また。

(参考情報)
こういうものが現代の三種の神器と言われているので、新たな三種の神器を創ることは十分に可能と思います。

dime.jp

 

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